Finish “Atomic habits” – Hiroshi Kano

Finish “Atomic habits”

1% better every dayの積み重ねによって、1であったものが、1年で37.78になる。逆に1%づつ悪くなっていくと、0.03になる。1%の複利(compound interest)を365回繰り返すと37.78になるということである。成功の秘訣は小さな習慣の繰り返しであるが、この本は、習慣を継続するためのノウハウをわかりやすく説明していた。色々と参考になることが書かれているが、本質的に解決が難しいことに、同じようなことを繰り返すことの退屈さがある。この本に書かれているのは、このboredomを乗り越えるための知恵である。

英語は積み重ねによって身につけることができる能力である。私の場合、中学生になって英語の勉強が始まり、今日まで、50年間、途切れ途切れに勉強してきた。高校で学ぶ英語は、本格的な英語でチンプンカンプンだった。サブリーダの授業ではカポーティの短編小説などを読んだが、知らない単語と構文のオンパレードだった。暗号解読のような授業。英語が少し読めるようなったと感じたのは、大学院に進んで英語の文献をたくさん読むようになってから。社会人になってからは英会話を習いながら、小説なども読んだ。当時は、英語の小説は読みにくかった。技術内容を説明する英語と違って、小説は読者なりに解釈する余地が大きく、文化・社会的な背景を知らないと分からないことも多いので、理解が難しい。それでもなんとか、継続して、最近では、ある程度読めるようになった。ちなみに、1年ぐらい前にカポーティの代表作である”In Cold Blood”(冷血)を読んだ。興味深い内容だった。

私は、1993年から1995年までの2年間、アメリカのピッツバーグのカーネギメロン大学に訪問研究員として滞在していた。その間に、英語の能力は向上したと思うが、50年間の蓄積の中でいえば、20%ぐらいかな。この期間は英語学習のモチベーションにはなったし、アメリカにいれば英語学習に関して退屈になることはありえない。一方、最近、こうして英語の本を月に一冊のペースで読むことも良い学習習慣になっている。

大学生が、数ヶ月、あるいは1年程度、アメリカの大学に英語の勉強に行っている。はっきり言ってしまうと、この期間で英語がペラペラになることはありえない。でも、英語学習のための大きなモチベーションになるので、これを契機に勉強することの方が大事だと思う。一方、長く滞在していても、必ずしも英語が習得できるわけでもない。毎日、日本人だけで集まってワイワイガヤガヤやっている連中が、英語ができるようになるわけがない。親の仕事の関係で、数年間、アメリカに滞在しているような日本人の子供は、日常英語と発音はよくできるが、フォーマルな英語や少し難しい単語を知らないようである。彼らは、家では日本語でしゃべっているし、学校でも日本人の友達と話すことが多いのであろう。